気になる!再生医療「TOPs細胞提携医療機関様情報共有会」レポート4 | CPC株式会社

2024/03/15

気になる!再生医療「TOPs細胞提携医療機関様情報共有会」レポート4

CPC株式会社 ネットワーク事業部です。

    

2023年4月にTOPs細胞を治療にご活用いただいている先生方向けに、情報共有会をオンラインで開催致しました。その内容の一部をご報告させていただきます。

   

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TOPs細胞提携医療機関様情報共有会

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TOPs細胞を治療にご活用いただいている医療機関様向けに、治療に関する情報交換の場を設けられたらという思いで企画しています。

   

今回はアヴェニューセルクリニックにて治療に関わっている、松﨑医師より発表いたしました。

   

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発表者のご紹介

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医師 松﨑時夫

   

  • 略歴

神戸大学医学部医学科卒業

神戸大学医学部附属病院、愛仁会高槻病院、神戸労災病院、香川大学医学部附属病院などを経て

神戸大学医学部大学院修了(医学博士)

スクリプス研究所(カリフォルニア州サンディエゴ)にて関節軟骨の研究に従事

カリフォルニア大学サンディエゴ校にてロボット手術、膝装具開発に従事

東京大学にて医療機器開発プログラム(ジャパンバイオデザイン)を修了。

   

学会認定・資格

医学博士

日本専門医機構認定整形外科専門医

   

  • 所属学会

日本整形外科学会

日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
日本抗加齢医学会
日本再生医療学会

   

  • 詳細

専門は整形外科ですが一般整形外科でも、経験を積みました。主に関節の治療やスポーツでの怪我の治療を、臨床では行っていました。日本の大学院やアメリカでも研究を続けており、臨床でも研究でも関節軟骨に関して研究を行っていました。

   

以前はお茶の水セルクリニックで治療に携わっており、現在は整形外科を中心にアヴェニューセルで幹細胞治療に関わっています。

   

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関節投与前に注意すべき点について

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2022年7月からアヴェニューセルクリニック・お茶の水セルクリニックにおいて、幹細胞治療関節投与の患者様で、投与前に感染や骨代謝異常の疑わしい方の解析を実施しています。

   

幹細胞投与前の事前採血にてWBC異常値・CRP異常値・低リン血症の項目で、解析できた91例中、異常があった8例(WBC: 9770~15890/μL, CRP: 0.3~2.0mg/dl, P: 1.7mg/dL)を紹介。該当患者様のCRP軽度高値であった患者さん1例で無症状であったために幹細胞投与を行いましたが、投与後に急激な関節水腫がありました。細胞数は20,000と軽度高値を認めた以外(幹細胞投与後のため幹細胞も含まれていると思われます)は結晶検査陰性、細菌の培養検査でも陰性であり、関節水腫の大きな原因はわからないままではありますが、その後フォローを続けており、状態は落ち着いております。その他は大きなトラブル症状はなく、経過は良好です。

   

もし幹細胞投与前の事前採血にて、CRP陽性だった場合は注意する必要があります。

   

なかでも結晶性誘発関節炎や化膿性関節炎、骨髄炎の可能性がある場合は注意しなければなりません。

   

~結晶性誘発関節炎や化膿性関節炎の鑑別方法~

   

鑑別方法として、白血球50,000以上だと化膿性関節炎、2000~10,000だと炎症性関節炎を疑います。化膿性関節液の関節液色は、緑がかった黄白色のようで、多形核好中球の割合も多くみられます。

   

結晶性誘発性関節炎は必ず結晶の存在が必要で、関節液の結晶検査で鑑別が可能です。

   

化膿性関節炎は結晶性誘発関節炎を併発するケースが多いと、タイのレジストリデータからも見受けられます。培養検査や細胞数での鑑別が重要になります。

   

~骨髄炎について~

   

周辺組織から連続的に広がり手術や怪我による直接的な傷、あるいは全身性菌血症による血行性の広がりが原因で起こる感染症です。骨関連感染症の原因菌の2/3は黄色ブドウ球菌または、表皮ブドウ球菌で、ほとんどがコアグラーゼ陰性のブドウ球菌となります。黄色ブドウ球菌骨髄炎症例の最大50%がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌株によって引き起こされます。

   

慢性骨髄炎は高い割合で培養陰性であり、微生物学的に未確定のままになることもあり、注意する必要があります。

   

~まとめ~

   

CRPが陽性の場合は「結晶性誘発関節炎」「化膿性関節炎」「骨髄炎」を疑いつつ、特に「化膿性関節炎」と「骨髄炎」は投与前に除外しておくと良いかと思います。

   

投与前CRPが2以上など高値な症例は、その原因を検索しつつ、陰性化もしくは1未満になるまで経過を見てからの投与をおススメします。

   

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参加医療機関様のお声より

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~提携医療機関様の臨床現場での近況について~

   

「自身が投与を経験して、患者様にリアルな話をお伝えしています」、「臨床現場でも患者様からの感触も良く、画像的変化がある方もいました」、「治療方法がないことに悩んでいた患者様が、投与し大変喜んでいました。今後も経過を追っていきたいです。」と前向きな近況を聞かせて頂きました。

   

次回「第5回TOPs細胞提携医療機関様情報共有会開催」も予定しております。情報共有会を通じ、提携医療機関様により良い有益な情報をお届けできればと考えております。

   

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情報共有会を終えて

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当社は患者様目線を決して忘れることなく、先生方へ提供させて頂くTOPs細胞の品質とサービスの品質を愚直に磨き、ご期待に誠実に応えていきたいと考えております。

そして先生方とともに、一人でも多くの患者様へ、良質で・負担の軽い・信頼されるTOPs細胞治療をお届けしたいと思っており、今後も情報交換の場を設けて参ります。

   

そして当社事ではございますが、2023年7月2日付けで創立5周年となりました。皆様に支えられて、5年という節目の年を迎えることができました。

今後ともよろしくお願いいたします。

   

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今回は以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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